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何かに没頭している時の状態と、入眠時の状態は似ていると思っています。ちょうど頭のピントが合っているような、できればその状態をずっと維持していたいと思えるような状態です。

生きている限り、できるだけその状態を長く保っていたいと思います。そのために、何かに没頭しているか、寝ている以外の時間を減らしていきたいと考えています。

しかし、生活はむしろそうではない時間によって占められているし、その忘我の状態も何時間も維持できるだけの気力がありません。我を忘れていてもそこには間違いなく消耗がありますし、肉体的疲労も発生します。

今まで以上にその忘我状態を長く、深くするためにはどのような訓練が必要なのでしょうか。環境や設備を整えるということも一定の効果を上げていますが、これ以上の改善は抜本的なものになるため、そこに支払えるだけの資源がありません(例:没頭のための建物を建ててそこに籠もる)

一つは、忘我を求めるということ自体を、追求することをやめる。ということです。厳密には忘我ではなくても、一人で誰にも会わず、気の向いたことをやり続けることができればいいわけです。仕事も、気が向いたのであればやればいいでしょう。忘我もまた、気が向いたら突入する状態にすぎず、それを人生の目標のように

追い求めるほど、真剣に生きることができません。
ずっと無駄に考え続けていたことが、もう少しで最初から何も考えていなかったかのような境地にたどり着くまでもう少しなのかもしれません。